消防設備点検を自分でやるなら点検アプリを活用しよう

消防設備点検って年に2回もしないとダメだけど、自分ですることはできないの?
設備は壊れてなさそうだし、自分で点検しても問題なさそうだけど…

こんな疑問にお答えしたいと思います。

結論から言うと、業者でない素人でも消防設備点検を自ら行うことは可能ですが、できる範囲は限られています。

また、消防設備はその建物の安心安全を担保しなくてはいけませんので、しっかり点検しないといけません。

素人が安全を担保しながら消防設備点検を行う際の注意点や、点検結果報告書を作成する方法を解説していきます。

目次

消防設備点検を自分でできる範囲は限られるが…

消防設備点検を自分でできれば、そのぶん点検費用が浮くので興味を持ったことがあるオーナー様は少なくないと思います。
とはいえ、ややこしそうだからやっぱりお任せ…という感じだと想像します。

消防法的には、未資格でも1000㎡未満の建物であれば自ら点検することは可能です。

ですが点検には専門知識が必要なため、実際は業者さんにお任せなのが現実でしょう。

ちなみに1000㎡以上の対象物には、消防設備士または消防設備点検資格者のどちらかの資格をもった者が点検を行う必要があります。

消防設備点検を行うことが出来る資格

・消防設備士(甲種)…消防設備の工事及び点検・整備を行うことが出来る
・消防設備士(乙種)…消防設備の点検・整備を行うことが出来る
・消防設備点検資格者…消防設備の点検・整備を行うことが出来る

1000㎡未満の建物は資格を持たなくても点検できることから、点検から報告まで「素人でも簡単に」できるような簡易なものに限って解説していきます。

自分で消防設備点検するためにアプリを活用する

自分で点検をするということは、点検のあと報告書を作成し、消防署の提出まで自分でするということです。

そのため、自分でするためには「点検」に加え「報告書の作成」必要になってきます。

報告書の作成は自分で作成するのではなく、アプリを使って自動で作ってもらいましょう。
そのために必要なのがこちらのアプリです。

このアプリは総務省消防庁が作成した『消防用設備等点検アプリ』なので、正真正銘、ちゃんとしたやつです

アプリを使って点検報告書を作成できる消防設備

点検資格を持たなくてもできる消防設備点検は、消防設備自体が簡易なものに限られます。

自分で点検することを念頭に置いたアプリは、点検が簡単な4つの消防設備の報告書を作成することが出来ます。

①消火器
②非常警報器具
③誘導標識
④特定小規模施設用自動火災報知設備(以下、「特小用自火報」)

これら4つの設備は点検資格がなくても、また、特別な知識や経験がなくても自分で点検できます。

とはいえ、この4つの設備しか付いていない建物というのはかなり限定的だと思ってください

自分で点検できる建物の例

アプリを使って報告書を作成することができる物件は、ほとんどの場合、次の3パターンになります。

①小規模なアパート
②小規模な事務所
③小規模な倉庫

これ以外の建物で、4つの簡易な消防設備しかない物件はあまりないので、一度ご自身の物件を確認してみてください。

小規模アパートのオーナー様がもっとも多い

3パターンのなかでも、最も多い例が①の「小規模なアパート」です。

小規模アパートは消火器しか付いていないパターンが多く、自分でも簡単に消防設備点検ができますよ。

自分で消防設備点検をする手順

①小規模なアパート
②小規模な事務所
③小規模な倉庫

これらの物件をお持ちのオーナー様は、消防設備点検の資格も、知識もなしでも消防設備点検をすることができます。

ひとつずつ、点検方法を説明していきますね。

消火器の点検方法

(出典:モリタ宮田工業HP

消火器はほとんどの場合、画像のような「蓄圧式粉末ABC消火器」が設置されています。

消火器が設置してから5年以内であれば、外観点検だけでOKです。

✓外観点検を確認

外観点検と言っても、パッと見て凹みや腐食などがない場合は、問題ありません。
機器点検も総合点検も、外観を確認すれば完了です。

外観点検だけで構わないのは「5年以内」ということに注意してください。

5年を経過すると、総合点検時に放出試験が必要になってきます。

放出試験はその名のとおり、消火器が作動するか放射して確認する点検方法(設置している消火器の2割を放出)です。
消火器は放出すると使えなくなるので、オーナー様からしたら理解できないと思い試験かと思います…

とはいえ、決まりなのでどうすることもできません。

蓄圧式消火器の耐用年数は10年なのにもったいない話ですよね。

ですが、わざわざ放出試験をするよりかは、5年経てば取り換えるほうが経済的ですので、個人的には5年たてば取り換える方をお勧めします。(10年間、最後まで設置できるのは全体の2割しかありませんし…)

非常警報器具の点検方法

(出典:TOA

非常警報器具は図のとおり、拡声器のようなものです。
(警鐘、手動式サイレンもありますが、設置しているところはほとんどありません。)

電源を入れてみて、外観に問題がないかと、正常に作動するか確認してください。
拡声機能と、「ウ~~!」というサイレン音が鳴ればOKです。

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誘導標識の点検方法

(出典:ミドリ安全

誘導標識は図のとおり「ここが避難口だよ」と知らせるための標識です。
誘導灯ではないので光を発することもなく、標識を両面テープで張るだけの簡単なものです。

点検は標識が剥がれていないかと、標識が遠目からちゃんと見れていればOKです。

たまに「蓄光式誘導標識」を設置する物件がありますが、点検方法は同じです。

特小用自火報の点検方法

(出典:能美防災HP

特定小規模施設用自動火災報知設備」と言います。(とても読みづらいですね笑)

小規模なデイサービス施設によく設置されている警報設備です。

見た目は家に付いている「住警器」と同じで、住警器と同じように熱や煙を感知すると感知器が鳴動します。

感知器同士が無線で連動しており、何か一つの警報機に異常があれば他の警報機が鳴動して知らせるようになっているので、問題なければ外観点検だけでOKです。

自分で消防設備点検をする際に使える最新アプリ

紹介した4つの消防設備は、いずれも外観をパット見て問題なければOKというものです。
であれば、あとはその内容を点検報告書にまとめればOKですね。

ここで使えるのが「消防設備点検アプリ」です。

アプリをダウンロードし、個人情報や建物情報を入力すると点検報告書が出来上がるので、あとは印刷するだけです。

それでは早速、手順を確認していきましょう。

消防設備点検アプリをダウンロード

STEP
アプリを起動し初期設定する
初期設定画面から建物情報や消防用設備等情報などを入力する
STEP
それぞれの情報を入力する

①建物情報を入力する

②消防用設備等情報を入力する

③点検者情報を登録する

消防設備点検を実施する

消防設備点検アプリの具体的な使い方は別記事で解説いたします。

こちらよりどうぞ!>>(記事が作成でき次第アップしますのでお待ちください。m(__)m)

消防設備点検に不備があったらどうする?

自分で消防設備点検をしたとき、不備があったらどうしたらいいの?

消火器などは屋外に設置する場合もあり、破損・劣化する可能性は大いにあります。

その場合は、点検結果報告書にもその内容を記載しましょう。

「不良内容」に不備内容を書くとともに、すぐさま改修する場合は「措置内容」に改修した内容も記載することで不備なしとすることができます。(書き方1)

消防設備を改修する方法

この記事で紹介している、消防設備点検アプリが使える4つの消防設備については買い換えることをお勧めしています。

というもの買い換えるほうが安くコストを抑えられるからで、正直、壊れたものを修理するメリットがありません。

買い換えコスト

消火器(4~5千円/1本)
非常警報器具(1万円/1個)
誘導標識(700円/1枚)
特小用自火報(1~2万円/1個)

業者さんを呼んで修理をお願いするほうが高くつくので、買い替えがお勧めです。
買い換え費用も低価格なので、もし、修理が必要ならばすぐに買い換えましょう。

自分で消防設備点検をする手順まとめ

それでは自分で消防設備点検をする手順を簡単にまとめます。

点検するための前提条件

✔消防設備点検アプリを利用すること
✔アプリが利用できる設備点検のみに限ること

消防設備点検アプリが重要なのですが、点検結果報告書を作成できる設備は4つだけです。

①消火器
②非常警報器具
③誘導標識
④特小用自火報

この条件を満たす建物は大体この3つの物件が多い

①小規模なアパート
②小規模な事務所
③小規模な倉庫

点検方法はいずれも外観点検だけでOKです。
(※もし劣化・破損があれば買い換えること)

点検結果の内容をアプリに記録し、点検結果報告書を正副2部印刷して保存します。

✓特定防火対象物は1年に一度
✓その他の防火対象物は3年に一度

消防署へ点検結果報告書を提出する(押印した正本を保管すること)

消防設備点検アプリを利用すれば、簡単に自分で消防設備点検を実施できるので、ぜひチャレンジしてみてください!

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