消防設備点検は、住宅以外の不動産物件の“安心・安全”に関わる法定点検です。
ですが、多くのオーナー様はこう感じています。
そして出来れば、次のようになって欲しいはず。
消防設備点検を安くしたい!
金銭的な負担を感じているオーナー様は多いかと思います。
それもそのはず。
消防設備点検は半年に一度、必ず行う必要がありますが点検費用は毎回、数万円~十数万円程度かかるからです。
正直言って、高すぎる!
安くする方法が知りたい!
多くのオーナーさんが抱く点検費用の悩みについて、この記事ではどうしたら設備点検を安く、安心して実施できるかについて答えていこうと思います。
消防設備点検を安くするために必要な手順
誰もが悩む消防設備点検のコストですが、抑える方法は難しくありません。
ですがその前にこの質問をさせてください。
✓管理会社に消防設備点検を任せっきりではないですか?
多くのオーナー様は結構、ギクッとしたのではないかと思います。
ギクッとしたのであれば、コストカットできる可能性が高いので心配無用です。
消防設備点検を依頼するまでの手順を確認することでコストカットが可能になりますので、消防設備点検の費用に悩むオーナー様はぜひ読み進めてください。
【手順1】管理会社に任せっぱなしにしない
不動産オーナー様はだいたい管理会社に丸投げしてませんか?
そこでこんなツイートをしました。
管理会社に完全にお任せしていませんか?
管理会社が提示した請求書のまま支払っているのなら、コストカットできる可能性大です。
請求書の金額に納得しているなら問題ありませんが、管理会社が提携する消防設備業者に点検を依頼するのが最も良い選択肢とは限りません。
管理会社が一番嫌うのは手間です。コストは二の次。
だから管理会社が提携する消防設備業者は、あなたではなく管理会社にとって都合の良い相手です。
法令上、必要経費と言えばオーナー様には「仕方ない」と言ってもらいやすい環境なので、都合の良い相手に任せた方がラクですよね。
管理会社を通じて消防設備点検を依頼する場合でも、複数社から見積りを依頼することでコストカットが可能ですので検討してみましょう。
【手順2】建物の状況を確認する
建物の状況を把握するのも管理会社に任せっぱなしはいけません。
建物は時間が経つとともに、状況や環境が常に変化していきます。
また、他人が使用していれば、どのような使用状況なのか知っておく必要があります。
知っておくことによって解決できたお話を少し紹介します。
✓僕が経験した話
20年以上経過した共同住宅の避難ハッチの更新で200万円以上が必要な工事の相談がありました。
ですが、急にそんな費用を求められても用意できません。
悩んだオーナー様は、どうしたらいいかと相談があったのですが、次のツイートのとおり解決しました。
これは時間の経過とともに、消防設備として必要だった避難ハッチが不要になる事例でした。
消防設備は建物の”今の”状況が設置の有無を左右するので、しっかり状況を把握しておくことが大事です。
しっかりと物件について把握しておくと、コストカットをすることが可能になる一例として紹介しました。
このように建物の状況を確認したうえで、行動してほしいのが次の手順3です。
【手順3】消防職員に相談しに行く
消防設備の修理や回収をするとき、事前に消防署に行き、物件について話をしてみるのをおすすめします。
建築当初から状況に大きな変化がある物件ほど、コストカットにつながる可能性は高いでしょう。
手順2の話は、その典型ですね。
消防へは業者が相談に行くものだから必要ないのでは?
と思うかもですが、そんなことないですよ。
なぜなら業者さんは修理や更新のための相談には行きますが、コストカットのために相談に来る業者さんはいないからです。
(売上が下がるので、そんな相談をする業者さんはいません。むしろ、「消防さんから「絶対に設置してください」と言ってください。」とお願いされます。)
建物環境が変化して消防設備の維持管理を根本的に見直したい場合は、オーナー様が直接相談しに来られたほうが良い結果が出やすいです。
建物の大きさと中身が分かれば、必要な消防設備は9割は決まります。
そのうえで、今ある消防設備から要らないものはないか消防職員に聞いてみてください。
ちゃんと聞かないとダメですよ。
なぜなら、聞かないと消防職員は教えてくれないからです。
いま付いている消防設備を不要と判断するというのは、消防職員にとっても大きな決断です。
建物に必要な消防設備の設置基準を変更するのは基本的に避けたいので、職員からは教えてくれません。(経験者は語る…)
消防設備点検を安くするチェックリスト
消防設備を安くするために手順1~3を見直し、自ら行動することが求められます。
とはいえ、消防設備について知らないことも多いのでハードルが高いはず。
そこで、消防へ相談に行く前に確認しておくと話がスムーズになるチェックリストを2つお伝えします。
チェック1:建築図面を用意すること
建築図面があるだけでとても話がとてもスムーズになります。
というもの消防設備の設置基準は建物環境がすべてなので、まずは建築図面が必要だからです。
(これがないと話が前に進みません…)
✓建築図面がなければ、手書きでもOKです。
とにかく図面があるのとないとでは雲泥の差があるので、事前に用意しましょう。
具体的に今の建物状況が分かるほど、話を前に進めることが出来ます。
チェック2:建物の現状を確認すること
- 平米数
- 階数
- 用途(テナントビルなら入居しているすべての業態)
- 実際の利用者数
- 設置している消防設備
- 前回の消防設備等点検結果報告書
- これまで消防に提出した書類
これらを事前に確認しておくと、打ち合わせがとてもラクになりますし、変更を伴う大きな判断にも有利になります。
特にテナント物件は入居するテナントによって必要な消防設備が変わるので、現状の把握が必要です。
ここで問題です。
- 住む人がほとんど変わらないアパート
- 企業しか入らない事務所ビル
- 飲食店などが入るテナントビル
このなかでもっとも消防設備規制が厳しいのはどれでしょうか?
もちろん、3番目のテナントビルですね。
たとえ同じ建物だったとしても、“入居する業態”によって設置基準が変わるのが消防設備です。
そのため、事前に入居するテナントなどの業態を把握しておく必要があります。
このように事前に情報を整理しておくことが重要です。
用意できる情報が多ければ多いほど、正確な判断をしてもらえる可能性が高まり、無駄な支出を防ぐことができるはずです。